Q5 現在、自己破産手続中です。私は会社を設立して社長になれますか?
2006年4月30日までは「破産宣告を受けて復権していない人」は取締役や監査役などの役員(経営者)にはなれませんでした。
「復権」とはどの様なことをいうのか? といいますと、- 裁判所から「免責」の決定が出ている場合
(自己破産の手続が完全に終了し、裁判所から今までの借金を帳消しにされている場合) - 破産宣告から10年が経過している場合
(破産を申し立てたが、まだ借金が帳消しになっておらず、不安定な状態が10年続いている場合)
破産手続に10年以上かかるということは、個人で該当される方はなかなかいらっしゃらないと思いますので、普通に考えるならば「破産手続中の方」は会社を設立して経営者になることはできませんでした。
しかしながら、中小零細企業では会社の債務を経営者個人でも連帯保証しているケースが多いため、自己破産によって再起ができないとなると、経済が活性化しません。そのため法律が改正され、2006年5月1日以降は自己破産中であっても再び起業できるようになりました。
- 破産手続中の方でも会社の役員になることができる
ただし、法律上会社を設立することは可能なのですが、やはり一度でも自己破産をされていますと、金融機関の○○様(○○様の経営する会社)へのイメージは大変悪くなります。自己破産の事実は、事故情報として金融機関やクレジットカード会社などが審査で利用する信用情報機関の情報として記録されるためです。よって会社を設立しても
- 融資を受けることができない
- 銀行口座を開設させてくれない
- クレジットカードを発行してもらえない
- リースを組ませてもらえない
などの不都合が発生する可能性もあります。会社設立と同時に上記のような事項を考えているならば、社長は親族の方などになってもらった方がいいと思われます。
なお、法律上の制約はなくなっても、自己破産した人が起業するのは簡単ではありません。
一般的に「自己破産手続を行ったことがある」という記録(一般的にブラックリストと呼ばれています)は5〜10年間は金融機関やクレジットカード会社などが審査で利用する信用情報機関の情報として記録されますので、10年ほどは金融機関から融資を受けることが出来ないと考えて企業の計画を行っていかなければいけません。
よって、下記2つのうちのいずれかの起業スタイルを選択することになると思われます。
- 1.自己資金を貯めてから起業する
- 自己破産によって融資を受けられないのであれば、起業に必要なお金を自分で用意するしかありません。自分で貯めたお金なので返済の必要はありませんし、少ないリスクで起業できます。
ただし、自己破産の手続きによって、生活に必要なものを除き、財産は弁済に充てられるため、少しずつコツコツお金を貯めるほかありません。起業に必要な金額にもよりますが、再度起業するまでには時間がかかることになります。 - 2.初期費用があまりかからない業種で起業する
- 店舗が必要な業種や大型・専門の機械が必要な業種などは、多額の初期費用がかかります。そのような業種だと、上記にも記載していますが自己資金を貯めて再度起業するのは時間がかかり、なかなか難しいでしょう。
起業で一発逆転を目指すならば、「実店舗を必要としない業種」など、初期費用があまりかからない異業種で起業することも検討する必要があります。
◆御依頼はこちら
・弊社に依頼するメリット・会社設立費用・価格表
・会社設立依頼はこちら
・会社設立無料相談はこちら
・依頼に関するQ&A
・会社用印鑑販売
◆会社を作る前に・・
・起業・独立・開業セミナー・会社についての基礎知識
・会社の種類
・会社設立のメリット
・会社設立のデメリット
・株式会社のメリット・デメリット
・合同会社のメリット・デメリット
・会社設立Q&A
◆株式会社の作り方
・株式会社設立方法◆合同会社の作り方
・合同会社設立方法◆NPO法人でも起業・独立・開業は可能です
・NPOで起業・独立・開業・NPO法人で起業・独立する際のメリット・デメリット
・NPO法人の利用方法
・NPO法人の作り方
・NPO法人何でもQ&A
行政書士甲子園法務総合事務所 代表
【藤井 達弘】
起業支援コンサルタントとして皆様の会社設立をバックアップいたします。
詳細プロフィールはこちら
日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり、適正な資本金について執筆いたしました。
女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。