合同会社の社員とは?

 合同会社の社員は、世間一般でいう「従業員」や「職員」「労働者」のことではありません。資本金の出資者であり、原則として会社の業務執行をする役員も兼ねることになります。そのため、社員となる人の決定は大変に重要なこととなります。

一人でも合同会社は設立できます

 名称が「合同会社」となっていますので とか というように勘違いしがちですが、合同会社は出資者1名だけでも設立できます。合同会社では「出資者=役員」が原則ですので、『役員が1名(出資者も兼ねる)』という一人会社にすることも可能です。

出資者全員が業務執行権を持ちます

 合同会社では原則として、社員(出資者)のすべてが業務執行(会社の経営)をすることになります。しかし、それだと業務執行に支障をきたすことが多いので 社員が複数いる場合は、定款で業務執行社員を定めることができます。

 定款で業務執行社員を定めた場合、業務執行社員だけで業務を執行することになります。ただし、その他の社員には業務執行社員の業務や、会社の財産の状況を調査する権利、いわば監視する権利が与えられます。

 合同会社の社員とは、資本金を出す人でもあり、業務の執行や監視をする人であり、重要な人となります。そのため、その人を社員とすることが設立される合同会社にとって本当にプラスになるのかを冷静に判断して決定すべきでしょう。立ち上げたばかりの会社で、社員の意思が同じ方向に向かっていないと、事業はうまくいきません。

 なお、社員の人数についてですが、人数は1人以上ならば何人でもよく、上限はありません。資格制限もなく、未成年者や法人でも社員になれます(未成年者が社員になる場合は保護者の同意が必要です)。ただし、15歳未満は印鑑登録ができないため、たとえ保護者の同意が得られたとしても社員にはなれません。  

社員全員一人一票の議決権です

 株式会社の場合は、出資した金額に応じて議決権が与えられますが、合同会社の場合は となります。

等、会社にとっての重要事項に関する決議は「出資者全員の同意」が原則になりますし、会社の経営に関する意思決定は原則として「出資者全員の過半数の同意」により行うものとされています。(業務執行社員を選任している場合は、業務執行社員の過半数で決めることになります。)

 よって、社員1名で合同会社を設立・運営している場合は何も問題は起きないのですが、仮に社員2名の合同会社で意見が割れてしまうと、日常の業務執行に関しても支障が出てきてしまいます。

 合同会社は「人的会社」と呼ばれています。利益の分配についてもそうなのですが、合同会社は「良くも悪くも」それぞれの構成員の個性や相互の信頼関係が、経営に反映されやすいといえます。

 よって、複数人で合同会社を設立し経営を成功に導く為には、
  1. 信頼できるパートナーを社員に選任し、会社を設立すること
  2. パートナーとの信頼関係を永続的に維持させること
が非常に大切になります。

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